「随笔」超一流になるのは才能か努力か?| 刻意练习


勇攀高峰

    才能は生まれ持ったものであり、努力しても到達できない領域である。という考え方はかなり広く深く浸透している。
    しかし著者の研究では、スポーツや芸術をはじめ様々な世界で活躍している人を調査した結果下記2点から、生まれ持った才能(傑出した能力を持つ人というのは生まれつきの才能に恵まれた一部の人間の特権)と言うのはなく「人間の脳と身体に備わる適応性」を利用した限界的練習と定義したトレーニングの成果だと結論を出している。

    第一に、傑出した能力を創り出す才能は実はほとんどすべての人間が持っていること。
    第二に、その才能を適切な方法で引き出せば誰もが傑出した能力を身につけられること。

    限界的練習の特徴

    ・既にほかの人にとびとによって正しいやり方が明らかにされ、効果的な訓練方法が確立された技能を伸ばすためのもの。練習のカリキュラムはえきすぱーとの能力とその開発方法に通じた教師あるいはコーチが設計し監督する
    ・学習のコンフォートゾーンの外側で、常に現在の能力をわずかに上回る課題に挑戦し続けることを求める。このために限界に近い努力が求められ、一般的に楽しくはない
    ・明確に定義された具体的な目標がある。通常は対象とする技能のいくつかの側面を向上させることを目標とし  漫然と技能全体の向上を目指すものではない。まず全体的な目標を決めてから、教師もしくはコーチがいずれ大きな変化に繋がるような小さな変化をいつづつ達成していく計画を作成する。
    ・意識的に行う。(指示に従うだけではなく、意識的に活動に取り組むことが求められる)
    ・フィードバックと、そのフィードバックに対応した取り組み方の修正が求められる。
    ・有効な心的イメージを生み出すと同時に、それに影響を受ける。
    ・すでに習得した技能の特的の側面に集中し、それを向上させることでさらなる改善や修正を加えていく事が多い。

    つまり、限界的練習とは
    ・コンフォートゾーン(=限界)よりもすこしだけきついところまで頑張る。
    ・過去の成功者の練習技法を取り入れ、効率を上げる。
    ・何かをしようと努力し、失敗し、やり方を見直し、再度挑戦する作業を繰り返す。
    ・迅速なフィードバックを受ける

    先生がいなくても効果的に技能を高める3つのF
    ・Focus(フォーカス、集中)
    ・Feedback(フィードバック、評価)
    ・Fix(フィックス、問題を直す)

    これを聞くと「頑張れば出来る」と言う事を証明しているようで心強い気持ちになる。

    気に入った言葉

    NBAのスーパースター、レイ・アレンは、高校時代は特別目立つ選手ではなかったが、主体的に練習に取り組みやがて努力とひたむきさによって自らのジャンプシュートを生まれつき特別な才能を持ち合わせたと誰もが思うほど優雅で自然なものに磨き上げた。(P20)

    人間の潜在能力は生まれつき容量が決まっているという考え方は成り立たなくなった。
    そうではなく、潜在能力と言う水瓶は我々が人生を通じて何をするかによって形が変わり、いくらでも容量を増していく事が出来る。
    学習は自らの潜在能力を引き出す手段ではなく、むしろ新たに作り出す手段なのだ(P21)

    ただ努力するだけでは能力は向上しない。(正しい訓練を十分な期間にわたって継続する事が向上に繋がる)

    目的にある練習の4つのポイント

    ・目的のある練習には、はっきりと定義された具体的目標がある
    ・目的のある練習は集中してい行う
    ・目的のある練習にはフィードバックが不可決
    ・目的のある練習には、コンフォートゾーン(居心地の良い領域)から飛び出ることが必要

    まずは1つの分野のエキスパートになろう

    我々が子供世代に与えられる一番大切な贈り物は、自分は何度でもやり直せるという自信、そしてそれを成し遂げるためのツールである。
    若者たちは絶対に手が届かないと思っていた能力を手に入れる経験を通じて、自分の能力は自らの意のままに伸ばす事が出来る事、生まれつきの才能などと言う古臭い考えにとらわれる必要がない事を身をもって学ばされる必要がある。
    そして好きな道で能力を伸ばしていけるように知識とサポートを与えよう。(P335)

    鉄則1: 自分の能力を少しだけ超える負荷をかけつづける
    鉄則2: 「これで十分」の範囲にとどまっていると、一度身につけたスキルは落ちていく
    鉄則3: グループではなく、一人で没頭する時間を確保する
    鉄則4: 自分の弱点を特定し、それを克服するための課題を徹底的に繰り返す
    鉄則5: 練習を「楽しい」と感じていては、トッププレーヤーにはなれない
    鉄則6: これ以上集中できないと思った時点で練習や勉強はうちきる
    鉄則7: 上達が頭打ちになったときは、取り組むメニューを少しだけ変えてみる
    鉄則8: 即座にフィードバックを得ることで、学習の速度は劇的に上がる
    鉄則9: オンの時間とオフの時間をはっきり分け、一日のスケジュールを組む
    鉄則10: どんな能力も生まれつきの才能ではなく、学習の質と量で決まる

    機械学習のニュートラルネットワーク手法を学んだ後、「超一流になるのは才能か努力か?」を読むと、もう納得しかないですね。